ダンス < 趣味🏮
  1. 1
    踊る名無しさん (1) 削除

    バレエをちょっとでも知ってる人には
    ネタ以外の何者でもない妄想小説。

    趣味の大人が出場できる「ペア部門」があるコンクール、
    クラスレッスンなしに朝1からアダージオの練習をするらしい教室、
    コンクールに出場するレベルの男女がPDDを「ペア」と呼ぶ等、
    噴飯モノの「ありえない設定」を指摘するコメントをしても、
    管理人の“検閲”に引っ掛かって、掲載されないようです。

    ここは黙って、なまあたたかく見守りましょう。

    tp://urasoku.blog106.fc2.com/blog-entry-510.html

    尚、それでもコメントした勇者は、承認・不承認にかかわらず
    レス番と内容を報告する事。

    • 2ちゃん見るなら便利な「びんたん」
    • のんびり 弁慶 で楽しむ
    • 続きを読む 2-

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  2. 200
    踊る名無しさん (1) 削除

    あけおめ

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  3. 201
    踊る名無しさん (1) 削除


    この作品は彼女の生き様を象徴するものになるだろう。
    しかし、ここまでやるべきだろうか…

    彼女は休憩の合間はそのままの姿でずっとバーをやっている。
    「やっぱりよ!筋肉が浮き出たほうがカッコイイだろ!」

    「なにか着なくていいのかな?」
    僕はそう言いたいのだがこの気迫では殴られまいかと黙って見ている。
    「君達、時間が経つのはあっという間だよ!」
    彼女は周りに激を飛ばすがその堂々とした姿に周りは完全に引いている。
    僕は足を肩幅に開き、腕を組み、口真一文字に結んだ姿勢を維持する。
    実はこれが精一杯で心の中では終了時刻が早く来るのを願っている。

    これまで僕は知恵を駆使して彼女に対応してきた。それも限界だ。
    やはり力が必要だ。走るのはどうだろう。マラソンなんか…
    ホノルルマラソンならのんびり楽しく完走できるかもしれない。

    しかし彼女はさらに強さを増す。次は対応できるだろうか。
    果たしてこの過酷な人生に意味はあるのか…

       【いや違う…運命は自分で切り開くものだ!】
    http://www.youtube.com/watch?v=FDcPv6olllQ

    youtube FDcPv6olllQ

    軽快モード(Youtube)
    [!] OFF にするとyoutubeはスレの中で再生します




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  4. 202
    踊る名無しさん (1) 削除


    順風満帆に見えた彼女の未来だが、またもや新たな問題が発生した。

    それは一通の手紙から始まった。
    「技は笑いの中にあり。
      お笑いを演らずして舞台と美を語るとは笑止千万!」
    なんでも関西で美容研究家としても一目置かれるお笑いの女性からだった。

    彼女は高笑いした後、小刻みに震えながらこう言った。
    「わしに作品をプレゼントせい!」
    「な、なにをいきなり…どんな?」
    「しいてあげれば【喜劇王】。
      男ならやるかやらないかだよ!君ならできるだろ!」

    かくして僕は作品を作ることになってしまった。
    「喜劇」ならまだイメージに幅があるものの「喜劇王」!?

    僕はこれまでに数少ないチャンスをものにし、堅実なキャリアを積んできた。
    しかし今回、これがどちらに転ぶのかまったく想像できない。
    どうなる僕のキャリア…

    http://www.youtube.com/watch?v=zcNX3RFkyo0

    youtube zcNX3RFkyo0

    軽快モード(Youtube)
    [!] OFF にするとyoutubeはスレの中で再生します




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  5. 203
    踊る名無しさん (1) 削除



    「矢吹入ります。お呼びですか?」
    「おお!来たか!まあ入れや!いよいよ名前がついたんだな。」
    授業が終わったばかりの放課後、なぜか矢吹に本部からの連絡が入った。

    「ちょっとベランダに出ようぜ!最近禁煙がうるさくてな。
     他は中学卒業で学校に入ってくる中、高校卒業で入ってきたお前は大変だろ。
     もう慣れたか?高校は稲妻女子だっけか?」
    「そうです。稲妻女子です。」
    「あの風林火山を掲げるとこな!
     速きこと風の如く。静かなること林の如く。奪うこと火の如く。動かざる山の如き。だっけ?」
    「動かざること山の如し。です。」
    「ところでお前!
     いま俺の机の上に何があった!言ってみ?」
    「ゴルフ雑誌。ノート。ボールペン。書類。ライター。灰皿。タバコ…ですか?」
    「タバコの銘柄はなんだ!」
    「キャメル…マイルドかまではちょっと。」
    「やはりお前が適任だな。」
    「なんのですか?」

    「我々に戦後初めて下された【任務】だ。」



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  6. 204
    踊る名無しさん (1) 削除


    「お前はうちがただの演劇集団として存在してると思うか?」
    「良く意味がわかりません。」
    「発想の始まりは明治の初めだよ。
     周辺列強を相手に想定した場合、男だけでは数が足りない。
     また女性でなくてはならない、女性の方が手に入りやすい事もある。
     その人員を教育すべく設けられた。それが我が【宝箱】だ。」
    「それがなぜまた演劇学校に?」
    「それは隠れ蓑さ。
     直接謳えば意図がばれてしまう。そしてそれでは生徒が集まらない。
     さらにわかりづらくするために拠点は東ではなく西に。
     いつでも転用できるような計らいさ。
     うちは女が両方やるだろ。どちらの心理も勉強させるためだ。」

    「さっき戦後初めてと言いましたね。」
    「そうだ永らく音信はなかった。それがここへ来ていきなりだ。
     みんなビビッテルよ。なぜ今頃ってな。」
    「しかしなぜ一生徒の私が?」

    「それはな…」



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  7. 205
    踊る名無しさん (1) 削除



    「まず、お前は伝説の人物だからな…」
    「はぁ!?」
    「入学するにあたって公開面接があったろ。
     そのとき『なにを求めてここへ来ましたか?』
     という質問にお前はこう答えた。
     『1点2点を争う競技系ダンスは好かんであります!
      人の心を直接鷲づかみにする踊りをやりたくてここへ来ました!』
     ってな。覚えてっか?
     そしたらそれを見ていた上級生や団員がぷっと笑って
     お前はそれを睨み返して一触即発になった。
     そしたら特別審査員の大真屋さんが机をバ~ンと叩いてな。
     『顔がダメなら踊りで現せ!踊りがダメなら歌で現せ!
      歌がダメなら芝居で現せ!それが宝箱の精神!決着は舞台の上だ!』
     ってな。それで場が収まった。前代未聞だぞあんな光景。」
    「それがなにか?」
    「今回の任務に必要なのは度胸だ。お前さんはそれを持ってる。
     お前、ケイ・ヨンナを知ってるか?歌と踊りの上手い?
     彼女は彼女の母国が大金をかけて作り上げた重要人物だ。
     彼女がやってくる。しかしお国の情勢は微妙だ。
     その彼女がこっちにいる間の護衛。それが【任務】だ。」



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  8. 206
    踊る名無しさん (1) 削除



    「なぜ生徒の私が!?
     私もうじき卒業して正式団員になるんです!」
    「だからいいのさ。顔が知られてない。
     アルバイトで雇われた付き人かなんかに見えるだろ。
     とりあえずお前には一旦学校を辞めてもらう。
     辞めた形にしておかんと万が一の場合、マスコミが騒ぐからな。
     な~に安心しろ。帰ってきたら優遇すっから。」
    「どんなですか?」
    「お前何が演りたい?」
    「『ベルサイユのバカ一代』のアンドレ。」
    「アンドレか。アンドレはいい役だよな。
     『いつかお前を倒してやる!ウィリー!』ってな。あそこは名シーンだ。
     そうかわかった。安心して行って来い。いま言えるのはここまでだ。」
    「でも、いま『万が一』があるって!?」
    「それは考えないほうがいいって。人生いろいろあるさ。
     もしそうなってもお前の名前は未来永劫、不滅だよ。」

    「行くしかないんですね。」
    「ああ、世の中のためだ。頑張ってな!」



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  9. 207
    踊る名無しさん (1) 削除



    待ち合わせの時間はとっくに過ぎている。
    指定された通りの服装だ。
    黒の地味なスーツ。ノーネクタイ。ヒールの低い靴。
    ネクタイの存在は接近しての争いごとでは不利を招く。
    高すぎるヒールは急ぐ動作には適していない。そんなところか?

    夕暮れの六本木は
    これから仕事へと向かうきらびやかな女性達でにぎわっている。
    「自分とは無縁の世界だな。」

    「どうもおそくなりました!」
    初老にさしかかろうかという中年紳士が走ってきた。
    「どうもはじめまして安川です。クルマを駐車するスペースがなくて!
     とりあえずクルマまで行きましょう。」

    「ちょっと待ってください。私が待ち合わせの人物だという確認は?」

    安川はふっと笑って答えた。
    「芸名、矢吹瞬。身長175センチ。足のサイズは27センチ。
     右利き。カバンは右肩にかける。
     バレエを専攻したかったが身長が伸びすぎその道を断念。
     宝箱芸術学校に入学する。男役志望。
     身体的特徴は長い足。そしてバレエ特有の外股。どうです?」



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  10. 208
    踊る名無しさん (1) 削除



    「あなたは後ろに乗ってください。」
    「どうもご丁寧に。」
    「ケイ・ヨンナは運転席の後ろに座ります。あなたはその反対側。
     これがそれぞれの場所です。ちょっと移動しますよ。」
    「他にスタッフなどがいるのではないですか?」
    「ええ、いますよ。
     マネージャーが同乗するかもしれませんがその時は助手席に乗ってもらいます。
     入国の際は別行動のようです。重要なのは彼女の身の安全です。
     何の心得もない人が増えれば危険度は増す。」
    「どこまで行くんですか?」
    「別にどこでもいいんですけどね。」

    「この辺りなら交通量が少ない。これからクルマの急な動作を行います。
     急に障害が現れた場合、その状況でのクルマの動きです。
     クルマは前輪を軸にして後方が大きく揺れます。
     なるべく丁寧な限度を踏まえた動作をしますが、それでも後ろは揺れる。
     しっかりつかまっていてくださいね。」



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  11. 209
    踊る名無しさん (1) 削除



    生きた心地のしない時が過ぎた。どのくらい経過しただろう。
    「街中は混んでいます。まず危険なことは起きないですね。人目もあるし。
     ただホテルへのチェックインは人目を忍んで地下駐車場からです。
     その出入りの瞬間が危ない。
     なるべく到着時刻にはホテルのスタッフに出入り口に待機するように連絡します。
     しかし、それが確実に守られるとは限らない。」
    「その道のプロを集めてがっちり固めたらどうなんですか?」
    「人数が多いほうが良いと思いますか?
     例えば覚悟を決めた2人に3人目が加わる。
     その1人は2人に引きずられていくだけかもしれない。それでは+1とはいえない。
     3人の体制が活きるには長い時間を共有した者同士でないと無理でしょう。
     さらにもう1人増えて4人になる。2対2で意見が割れるかもしれない。
     私とあなたで覚悟を決めて彼女を護る。彼女は迷うことが無い。
     しかし、そこにマネージャーが加わると彼女に迷いが生まれる可能性も出てくる。
     私はマネージャーの同乗を危惧しています。
     左側面に気を配る者が助手席にいれば便利だとは思いますがそれは仕方ない。
     あなたに兼任してもらいましょう。
     しかし、過剰な護りは本人も嫌っているようです。
     また大袈裟に動けば世間は何事かと騒ぎだしますしね。
     だから私のような勝手を心得たハイヤーの運転手にお呼びがかかる。
     まぁ、こっちは楽に稼げれば恩の字ですけど。」
    「楽な仕事とは思えませんけど。」
    「何事も起きなければ楽な仕事でしょう。何事も起きなければ。」



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  12. 210
    踊る名無しさん (1) 削除



    早すぎる時刻の成田はまだ空いている。されど待ち人の姿は見えない。

    「到着時刻は過ぎてますよね?」
    「ええ、待つしかない。時刻と場所しか知らされていない。
     彼女の祖母は日本にいます。その祖母の病状があまり良くない。
     そこで興行師は祖母に会えるという事、
     さらに警護をつけることを匂わせて彼女を招くことにこぎつけた。
     しかしその興行師と周りの思慮が少し浅かった。こういう流れのようです。」
    「これで大丈夫なんでしょうか?」
    「その他大勢が若干いるようですがそれとはまったくの別行動。
     スタッフの方は私も一切知らされていません。
     たぶん彼女によく似たダミーでも連れてくるんじゃないでしょうか?
     そっくりさんとか…
     専用の車輌にドライバー1名。警護1名。
     移動経路は知らされていない。宿泊先は毎日変えます。
     行動エリアはこのせまく治安の良い都内のみ。
     姿さえ見られなければこれはこれで当たりかもしれない。
     クルマは違う車種を違う色で3台用意してあります。期間は1週間です。」
    「どんな人でしょう?」
    「そればかりは実物を見ないとわかりません。」



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  13. 211
    踊る名無しさん (1) 削除



    「こんにちは。ケイ・ヨンナです。はじめまして。」
    それはまったく見当違いな方向から現れた。
    地味な服装、どうやら勘の鈍い子ではないらしい。

    「え!どちらから来られたんですか?」
    「直接来ると見る人がいます。
     あたし。ロンドンのお姉さんのところにいました。その帰りです。
     マネージャーは直接来ます。」
    「さあ、クルマの中へどうぞ。」
    「日本語がお上手ですね?」
    「おばあちゃんに会うために勉強しました。お姉さんはもっと上手です。」
    「安川さん。これからどこへ?」
    「まずはおばあさんの入院する病院です。
     迷いの元になりそうなものから片付けていきましょう。」



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  14. 212
    踊る名無しさん (1) 削除



    「感動の再会でしょうか。面会時間はどれぐらい見積もってます?」
    「この後に麹町で打ち合わせと取材です。それに間に合えばいい。
     マネージャーとはそこで合流になるでしょう。
     私はそろそろクルマに戻って準備します。
     なにか道具を用意していますか?」
    「武器は用意してくれないのか聞いてみましたが
     『自分で用意しろ!』で済まされました。
     これを見てください。トゥシューズを御覧になったことがありますか?」



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  15. 213
    踊る名無しさん (1) 削除



    矢吹は一足のトゥシューズをカバンから取り出した。

    「これはずいぶん硬いんですね。」
    「ピストルは音が出る。また違法な物であるために携行は困難。
     ガスというのもあるようですね。
     しかし使用者も吸い込む可能性もあるため実用的ではないとか。
     警戒する武器という物があるなら、それは棒状の物とか刃物ではないですか?
     これは新品をさらに硬くするために内側すべてにニスが塗ってあります。
     普通は先だけなんですが。
     トゥシューズは縫い付けられたリボンで足に固定します。
     通常は甲のところにリボンを縫い付けますがこれは踵に縫ってあります。
     糸はデンタルフロス。リボンの長さは短め。
     この両方を結束するとヌンチャクにもなります。
     いろいろと調べてみましたけど軍用ナイフの刃は19センチ。
     これはライフルの先につける時代の名残で、
     現在はサバイバルキットとしての役割を重視するため16センチ。
     私の足のサイズは27センチ。単体でも同じくらいの長さです。」



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  16. 214
    踊る名無しさん (1) 削除



    「それでいいんです。
     道具にこだわるとする。
     お金で得られる物、得られない物それぞれあるでしょうが
     物がない状況もある。
     その場合は身の回りにあるものを駆使してどうにかするしかない。
     私はあなた方を送り届けた後、すぐに出発します。
     しばらく走って尾行の有無や周囲を確認します。
     これから行く建物は地下鉄の駅に隣接していて
     地階からそのまま駅改札へ入ることができます。
     マネージャーは置いてきてください。
     スケジュールを消化したら
     御二人は地下鉄に乗って桜田門駅で降りてください。
     国会前の交差点で合流しましょう。
     女性2人の観光客なら静観されますが、不審な人物はこの辺りにはいられない。
     もし私があなた達を確認しながら通り過ぎた場合は何かあるということです。
     その場合そのままホテルへ直行してください。日没前なら安全でしょう。」



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  17. 215
    踊る名無しさん (1) 削除



    「お待たせしました。待ちましたか?」
    「いえ10分程度です。状況はどうですか?」
    「今のところ不審な影は見えません。
     明日は車輌を変えようかとも思っていましたがこのままでいきましょう。」

    矢吹の耳にラジオから流れる音楽が入ってきた。
    「あ…『バカデ~ル』だ。」
    「なんですか?」
    「あ、いえバレエの音楽ですヒロインの名はニヤケ。恋人の名はソロリ。
     酒好きな浮気者の恋人に翻弄されたヒロインは
     あやまって毒蛇に噛まれて死んでしまう。
     しかし頭が弱いために死んだことに気づかずその後も街を徘徊し
     大混乱から街は壊滅状態となる。」
    「矢吹さんはバレエをやっていたのですか?」
    「うん、ちょっと…」



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  18. 216
    踊る名無しさん (1) 削除



    「『酒好き』か…矢吹さんはお酒を飲みますか?」
    「いえ私はまだ…」
    「酒を飲むということは神経がゆるむということです。
     当然口もゆるむ。
     私は『酒が好きです』というヤツは
     『そこそこの出来の人間』だと見定めることにしています。
     つい先達て週刊誌に地方の新人議員さんが
     後援会の酒の席で女装して1曲歌い、その写真を撮られて話題になりました。
     本人は顔と名前を覚えてもらえればそれでいい…くらいだったのかもしれません。
     しかし、将来を担う器ならそんなことをしてはいけない。
     度量を測られたんでしょうがまんまとはめられてしまった。
     世の中には『断ることが正解』な場合がある。
     それをわからずに今流行のイケイケという言葉通りに動くと
     とんでもない結末になりますよ。この好景気の次は案外最悪かもしれない。」



    AA切替 sage
  19. 217
    踊る名無しさん (1) 削除



    「部屋は4つ取ってあります。
     真ん中がヨンナさん。その左が矢吹さん。右が私です。
     フロアの最も奥の3部屋ですから本来誰も前を通らないはずです。
     部屋に入ると左側にベッドがあります。
     ヨンナさんが壁を叩けばすぐに矢吹さんに聞こえます。」
    「あともう一部屋は?」
    「ヨンナさんの真下の部屋です。
     真下の部屋の天井に危険物を仕掛けるという方法があるらしいのですが
     これは大袈裟ですね。
     ただ足音などで在室か不在かが伝わるために押さえました。
     ルームサービスで食事をとりましょうか。
     さきほどの係りの方にまとめて私の部屋に届けてもらいましょう。
     届いたら壁を3回ノックします。3回以外は異常です。
     ヨンナさんは矢吹さんに同じように伝えてください。
     その後に私がそれぞれの部屋に届けますから。」



    AA切替 sage
  20. 218
    踊る名無しさん (1) 削除


    「これから2日間スタジオでの打ち合わせと調整。
     3日目が舞台上でのリハーサル。それから2日間の本番…」
    「スタジオでの調整は活動内容が不明瞭。3日目も不規則が伴う。
     最初から最後まできっちりと
     行動、場所、時間が決められてしまうのは本番の2日間でしょう。
     私はその2日間が用心の山場だと思います。」
    「その前に何か起きる可能性は低いのですか?」
    「不審な姿には警戒しておくべきでしょうね。
     距離を置いて眺めているかもしれない。
     しかしですね。
     これらは想定されたことの内側で
     その外側までを網羅するものではない。
     人間は未知に対して無防備です。
     突き詰めた現実の中で未知に遭遇すればするほど
     断定することは危険であると実感しますよ。
     試しに地図を見ながら目的地を目指し、道に迷ってみたらいい。
     本当の自分が見えますよ。
     ところが世間には
     俺は男だと言わんばかりに見栄えの良い
     断定した物言いを好む人物がたっくさんいます。
     ジャンルからいえば詐欺師とか催眠術師でしょう。」



    AA切替 sage
  21. 219
    踊る名無しさん (1) 削除


    「いよいよ本番ですね。」
    「気を引き締めていきましょう!」

    いきなり【ドガッ!】という鈍い音と共に安川の体は吹き飛ばされた。
    エレベーターの陰に隠れていたのは1人の厳つい男だった。
    矢吹はトウシューズのリボンを結んだ。
    男は安川の首に腕を回そうとしている。

    とっさに振り回したトウシューズが男の頭部に当たった。
    瞬間的に男はよろめき安川は床に崩れ落ちた。
    「安川さん!」
    矢吹の声に安川の反応はない。ケイ・ヨンナは立ちすくんでいる。

    「コイツ!」
    顔は東洋人。奇妙な構え。耳は潰れていない。柔道ではない。レスリングか?
    低くない。コマンドサンボか!?
    前にテレビのソ連の特集でバレエ学校の内容の次に出てきた…あの動き。
    だが顔は東洋人。
    しかし一瞬見えた。
    どこの国でも身体能力に秀でる者はオリンピック正式種目へと向かう。
    柔道ではない。レスリングではない。するとそれは二流。



    AA切替 sage
  22. 220
    踊る名無しさん (1) 削除


    一瞬の隙をついてフレックスのタンジュをヒザに見舞った。
    体重の載っていたヒザに喰らったタンジュは強烈だったのか距離が開いた。

    トウシューズを振り回して撹乱。そしてミスしたように手から抜け落とす。
    男はチャンスだとばかりに距離を詰めてきた。
    相手の急な前進に驚き背中を見せたと思わせた瞬間…


      【ピケ・アンデオールからのヒジ打ち!】


    男の頬骨が砕ける手応えがあった。
    手先や足先には男女差があるがヒジ、ヒザには差がない。
    さすがに頬骨を折られた痛みは強烈なのか男は非常階段への扉へと走った。
    矢吹はその後ろ姿を追おうとした。
    「単独での深追いは禁物です!」乱れた息で安川は制止した。
    少し離れた場所からクルマの急発進する音が聞こえた。

    「力がなければ道具を使え。道具がダメなら女を使え。女がダメなら隙を狙え。」
    あの面接の日、大真屋の言った言葉の本当の意味が理解できたような気がした。



    AA切替
  23. 221
    踊る名無しさん (1) 削除



    「いきなり来ましたね。
     しかし、こうして休んでいて良いんでしょうか?」
    「警備主任は任せて休めと言ってくれました。
     その言葉に従いましょう。休むことも大切です。」
    「ヨンナさんは意外にタフですね。
     さっきの暴漢の目的はなんだったんでしょう?」
    「テ○リズムとは恐怖を植えつけることです。
     単純にそれが目的ならそれはもう達成しています。
     我々に恐怖を与えたのですから。
     私たちはそれに屈していないだけです。
     ヨンナさんはお姉さんがロンドンにいると言ってましたね。
     イギリスは爆○テロの多い国です。
     テロに屈しないということは
     『劇場は幕を開ける』『観客は足を運ぶ』ということです。
     テロに屈していないことを証明するために今を楽しむ。
     これは穏和な国にいる私たちには理解しがたい心理です。
     彼女はそれを知っているということでしょう。
     精神的には私たちより強いかもしれません。」



    AA切替 sage
  24. 222
    踊る名無しさん (1) 削除



    「終演と同時に身仕度。
     最後の観客として正面玄関から退出。
     2日共にうまく行きましたね。」
    「ええ、何事もなく何よりです。
     しかし飛行機に乗るまでは安心できません。」
    「なぜヨンナさんは狙われたのですか?」
    「Aという国がうまくいっていないとする。
     その近所のBとCは仲良く繁栄を謳歌している。
     BとCの仲が悪くなれば何かが変わるかもしれない。
     なんて思惑が起きるんでしょうか…」

    その時、右からダンプカーが突っ込んできた。
    右前方を衝突されたクルマはコマのように1回転して止まった。



    AA切替 sage
  25. 223
    踊る名無しさん (1) 削除


    「安川さん!安川さん!大丈夫ですか!」
    変形した車体の中で安川の応えを待った。
    矢吹とケイ・ヨンナは無傷だ。

    「安川さん!抜け出ることは出来ますか!
     こっちはなんとか2人共いけそうです!」
    「まずい…変形した車体に挟まれて脚が抜けません。
     ここから空港までは2人で行ってください。駅はすぐそこです…」

    「しかし!いいですか!
     行く先は成田ではなく羽田に変えてください!
     羽田から大阪を経由してカナダに返しましょう!
     彼女はすでにカナダの永住権を取得しています!
     そこから先は彼女に任せましょう!
     ヨンナ!・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
    安川は流暢な外国語でその旨をヨンナに伝えた。
    すぐに動き出したのはヨンナの方だ。
    「矢吹さん!行きましょう!」
    「しかし!」
    「矢吹さん!矢吹さん!よく聞いてください!
     私は【市ヶ谷】から来ました!後は大丈夫です!」



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  26. 224
    踊る名無しさん (1) 削除



    「折れてなくて良かったですね。」
     大阪まではすんなり行けました。
     カナダ便に搭乗するまで2人で丸1日空港ですよ。
     ヨンナさんも最後まで心配してました。」
    「空の玄関口は少なく
     一度捕捉されると先が読まれてしまいます。
     あなたは【市ヶ谷】と聞くと
     角刈りかなんかで『であります!』
     なんて口調の人物をイメージするでしょ。
     でも考えてみてください。我々の本店は【六本木】ですよ。
     あんなところでそんな風体だとどんな目に会うか。
     まぁ、それも時期に【市ヶ谷】に移設されるようですが。
     最初の日、私は本店で辞令を受けて待ち合わせ場所に行ったのです…」

    「それからですね。
     私、実は日本人じゃないんです。」



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  27. 225
    踊る名無しさん (1) 削除



    「書類上は日本人なんですけどね。血は違うんです。
     私の父は東アジアに平等と繁栄をもたらすという理想に燃え
     この国にやって来ました。しかし結果は負け戦です。
     職を失った父はリヤカーを引っ張った八百屋になりました。
     これが俺の元いた場所の証だとブーツを履いてね。
     まだ小さかった弟は覚えてないようですが私ははっきり覚えています。
     そんな父を不憫に思ったのか、かつての先輩、同僚の誘いで
     新しく結成される予定だという組織の前身に入った。
     やがて母国でいざこざが始まり父の仕事も複雑になっていった。
     私もその道にならったということです。
    「私たちと何か違うんですか?」
    「それがね。私もよくわからないんです。
     私と似たようなやつは世の中にたくさんいると思うのですが、
     それがちょっと条件が異なるとまったく違う。全然違うんです。
     私は父の仕事の関係でおもいっきり真ん中の真ん中に組み込まれましたが
     やはり最後は性格ですかね。性格。
     しかし、それも私の代で終わりです。
     私には娘がいますがあなた達とまったく同じですよ。」



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  28. 226
    踊る名無しさん (1) 削除



    「また会うことはあるのですか?」
    「ええ、舞台を見に行きますよ。
     ただしあなたはすれ違っても気づかないでしょう。
     私は変装が得意なんです。
     一度、変装して娘の前を通り過ぎましたが気づきませんでしたよ。」
    「お嬢さん、気づいていながらわからない振りをしてくれたんじゃ…」
    「いや!そんなことはない!
     私はこれだけは自信があるんです!」
    「じゃあ、私がそれを見破ったら?」

    「その時は一杯おごりましょう。」
    「お酒は嫌いなんじゃ?」
    「飲まないとは言ってないですよ。バランスが大事だと。なにがお好みです?」
    「ギムレットとかいうカクテルがあるんですが?」
    「ああ、フィリップ・マーロウが好むやつですね。
     わかりました。見破ったらギムレットを一杯おごりましょう。」
    「それではまた!」



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  29. 227
    踊る名無しさん (1) 削除



    「おお!帰ってきたか!
     ずいぶんたくましく見えるぞ。理由はわからんが!」
    「ちゃんと出るものは出るんですよね。」
    「答えは出てるぞ!
     お前は卒業したら蛇組に配属される。
     デビュー作はローマの英雄スッパダカの
     若き日から死までを描いた『スッパダカデス』だ!
     ど~だ!すごいだろ!」
    「え~!アンドレって言ったじゃないですか。私、マッチョじゃないし!」
    「生涯の敵となる実の兄マッパダカは大真屋さんが演るってよ。はい、これ♪」
    「なんですか。このダンボール。」
    「プロテインだ。大真屋さんは張り切ってるぞ。『技は力の中にあり!』ってな。
     さすがは歴代男役ナンバー1。ミスター宝箱といわれるだけの存在だ!」
    「ここまでやらないといけないんですか。」
    「上は何を考えてるのかよくわからんね。俺は営業あがりの一総務だし。
     じゃあ、卒業まで頑張ってな!」

    宝箱地獄変 用心棒【瞬】  完



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  30. 228
    踊る名無しさん (1) 削除



    実際に周りにいるのは金に汚い嘘つきばかりだ。
    じゃあまともな人物はいないのか?
    たぶんまともな人は目立つと面倒だから隠れてるんだろうな。
    インチキ臭い目立ちたがり屋は地獄に落ちてもらいたいですね。



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  31. 229
    踊る名無しさん (1) 削除





    ワイが聞いた情報によると、もうじき中国はバブルがはじけて昔の貧乏な中国に戻るらしいで
    もう経済は破綻してて、取り戻すのは無理なんだそうや


    その世界ではごっつい有名な政府関係者筋から聞いた確かな情報やで

    まあお前ら頭の良い連中には、今さらなくらいのネタやな、
    お前らからすればもう常識的なくらいの知識やろ?

    詳しい話なら橋下さんに聞いてくれ、あの人なら全部知ってるはずだから









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  32. 230
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    age

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  33. 231
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    人生いろいろ 恋人いろいろ

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  34. 232
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    ベッドで喘ぐ女優の旦那も
    似たようなモンですわw

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  35. 233
    踊る名無しさん (1) 削除

    この前彼女のバレエの発表会に行きました。

    あのように毎回リハーサルでいろいろな所触られているのですか?
    耐えれません。
    同じ境遇の方いらっしゃいますか?

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